おもくろ詰碁

失題詰碁サンプル集



                             高野圭介

 
おもしろ詰碁規格外の「おもしろ詰碁」のこと。それが「おもくろ詰碁」です。

 作品の精選中、どこか枠からはみ出している作品がありました。
そのため「失題」という枠に入れられた可哀想な、惜しまれる異端児の詰碁です。

 
通常の「手のある詰碁」に対し、ユニークな「手のない詰碁」はこれに属します。
cf:「ヨミからヒラメキへ」別冊月刊碁學:碁學編集室(三木正)編1983年より

 妙手に遮られて黒先白活きとか、内部矛盾によるアヤとかで、手が消滅してしまう。
あるいは複数の第一着手など、失題に直結した詰碁群です。

 
元々、詰碁は打ち切っていない姿のまま、内在する瑕疵、妙着などで創作された
ものなのですが、その一歩手前で、アヤのあり過ぎて、超難問に留まったり、
着手の第一手が複数になったりして、除外されて失題となったものです、

しかしこの規格外はある種のおかしみ、佳趣に富んでいます。

 
 おかしみ・・・どこか異端児。そういうものは私たちの身辺に散在しています。

「題名のない音楽会」「Bar of no name」「左右白黒の靴下」「真似碁」「詰まない詰碁」etc.

 
 ここに「おもくろ詰碁」として集約しました。

おそらく実戦では、いつも死活を見極める不安という剣が峰に立っており、
実戦では「おもしろ詰碁」もだが、もっと身近に活躍する詰碁ではないかと思います。